【専欄】中国は「体制内改革派」 前滋賀県立大学教授・荒井利明 (1/2ページ)

2014.1.7 05:00

 中国にとって最も重要な2国間関係は米国との関係である。新興大国の中国と覇権国の米国は、新しいタイプの大国関係を構築しようとしている。

 これまで「大国の興亡」が繰り広げられてきた。19世紀から20世紀にかけて起きた英国から米国への覇権の移行が、歴史上、最新の覇権の交代である。覇権は米国から中国へ移るか否か、米中は平和的な共存関係を築くことができるか否か、それが現在およびこれからの問題である。

 英国から米国への覇権の移行は平和的に行われた。その理由として識者が指摘しているのは、両国が価値観を共有し、既存の世界秩序を新興大国の米国が受け入れたことである。つまり、米国は秩序の破壊者ではなく、秩序の擁護者だった。

 では、中国は秩序の破壊者か擁護者か。ブッシュ(ジュニア)時代の米国が中国に対して、「責任あるステークホルダー(利害共有者)たれ」と呼びかけたのは、既存秩序の擁護者になれ、という注文だった。

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