日本取引所グループは、傘下の大阪証券取引所が運営している外国為替証拠金取引(FX)市場「大証FX」を今秋に休止する。取引量の低迷が要因だ。
大証FXは2009年7月に開設され、当初は順調に取引量を拡大した。しかし、その後の税制改正などにより、FX専業の会社やネット証券が運営し、取引所を介さない「店頭FX」に対する優位性を失った。手数料が低い店頭FXに顧客を奪われた結果、「ピーク時の4分の1に減少し、事業として成り立たない」(日本取引所グループの斉藤惇最高経営責任者=CEO)ため、休止を決めた。
決済の猶予期間を半年程度を設け、休止の目途は10月としている。
日本市場は低迷しているが、一方でシンガポールやロンドンなど海外の取引所では通貨を使ったデリバティブ(金融派生商品)取引は活発に行われている。斉藤CEOは「総合的なデリバティブ市場を目指す上で不可欠」として、通貨デリバティブを取り扱う新市場として将来、再開する考えを強調している。