格安航空会社(LCC)をはじめ航空需要が急拡大するインドネシアで、国営のガルーダ・インドネシア航空とシンガポール企業が新たなハブ(拠点)空港作りに乗り出した。シンガポールの南に位置し、人気リゾートであるインドネシア・ビンタン島に大型機も離着陸できる滑走路と整備・修理設備も備えた国際空港を建設する。隣接するシンガポールのチャンギ空港にとっては、本格的なライバル出現といえそうだ。
◆3600メートル滑走路2本
シンガポールの投資会社ガラント・ベンチャーとガルーダ航空が明らかにしたところによると、現在のビンタン空港に当初、3億シンガポールドル(約243億円)を投資し、大幅に拡張する。敷地約500ヘクタールに3600メートル級の滑走路2本と空港ビル、メンテナンス、修理、オーバーホールができる整備工場を設ける。すでに1本目の滑走路の建設が始まっており、2016年には運用を開始する予定だ。
さらに将来の拡張計画のために800ヘクタールを確保しており、すべて合わせると総面積は1300ヘクタールに上る。面積だけをみるとチャンギ国際空港に匹敵する規模だ。
ガラント・ベンチャーはシンガポール-ビンタン間のフェリーも運航しているが、新空港はビンタン島北部のフェリーターミナルに近く、同島の西に位置するバタム島へのフェリー便も運航されている。
今回の計画について、ガルーダ航空のエミルシャ・サタル最高経営責任者(CEO)は記者会見で「新空港はガルーダ航空の路線拡張に役立つ。インドネシアの東部と西部を結ぶだけでなく、欧州とアジアを結ぶ接点にもなる」としている。