禁煙を呼びかける官製ポスター(中国新聞社)【拡大】
北京市消費者協会は2月下旬、当局に対してたばこ規制法の立法化を推進するほか、たばこ製品の包装には国際的にも通用する写真や図を使い、喫煙リスクと健康への有害な影響を記載するなど、規制強化を行うよう申し入れた。
また、たばこメーカーについては「節煙を呼びかけながらも、製品包装上の警告義務を果たさず、ダブルスタンダードをとっている。これにより、わが国の禁煙推進を阻害し、多くの消費者の安全と知る権利を脅かしている」と批判した。
◆毎年100万人超死亡
調査によれば、中国の喫煙人口はおよそ3億人。7億4000万人が副流煙の被害を受け、喫煙が原因で死亡する者は毎年100万人を超えるという。さらには13~18歳の青少年のうち約1500万人が喫煙者で、喫煙の経験がある者は4000万人を上回るなど、たばこの被害は裾野を広げている。
たばこの害について、大半の喫煙者は喫煙による肺がん、肺気腫のリスクについては承知している。しかし口腔(こうくう)がんや流産の危険について知っている喫煙者は約半数にとどまり、男性の性機能障害の原因になることを知っているのは30%、脳卒中を招く危険について知っているのはわずか27%だった。