■サポート体制の整備が急務
簡単な作業であらゆる細胞になる万能細胞「STAP」の論文を英科学誌に発表した独立行政法人・理化学研究所(神戸市)の小保方晴子研究ユニットリーダーが先月、「割烹(かっぽう)着のリケジョ(理系女子)」として大きな話題を集めた。その後、同論文に不自然な画像データがあると調査が進められ、評価はその結果を待つしかないが、このニュースをきっかけに改めて認識したのは日本のリケジョの数の少なさだった。
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2012年度の文科省の「学校基本調査」を基に大和総研が作成した資料によると、理学は女子学生の占める比率が約20%、工学は約10%にとどまっている。医学や薬学など資格のとれる理系は30%から45%と比較的高いが、専攻分野別にみると電気通信工学は6.7%、機械工学は3.4%と現行の消費税率より低い水準だ。国際的にみても日本の研究者に占める女性比率は低い。内閣府の「男女共同参画白書」によると12年の比率は14.0%で、日本としては過去最高を記録したものの、先進国の集まりである経済協力開発機構(OECD)諸国のなかで最下位だった。ちなみに英国は38.3%、米国は34.3%、韓国は16.7%だった。
なぜ少ないのか。理由はさまざまだろうが、東大大学院の大島まり情報学環・生産技術研究所教授は「学生本人や親や教師などが理系に対する間違ったイメージを抱いているのが大きい」と指摘する。同教授は「実験などで研究室に寝泊まりしないといけないのか」「男社会でつらそう」「文系より学生生活が長いから社会に出るのが遅くなって婚期が遅れるのでは」などという質問をよく受けるという。