【太陽の昇る国へ】緊迫するウクライナ 日本の対応は

2014.3.14 05:00

 □幸福実現党党首・釈量子

 --2月末、ウクライナで親ロシアのヤヌコビッチ政権が崩壊し、親欧州勢力による暫定政権が発足しました。新政権に反発するロシアのプーチン大統領が、ロシア系住民の保護を理由にウクライナ南部のクリミア自治共和国を実効支配したことから、情勢が緊迫化しています

 国際社会は、ロシアの行為は他国の主権侵害であり国際法に明確に違反しているとして、非難を強めています。米国はロシアに対して要人らの在米資産凍結や米国への渡航禁止などの制裁措置を発動。これに続いて欧州連合(EU)も制裁に踏み切る構えです。

 --欧米とロシアの対立から、冷戦の再来を危惧する声もあります

 ソ連崩壊後、独立したウクライナは財政的に危機的な状況にあり、ロシアとEUを両天秤にかけて援助を引き出すことで、国家の生き残りを図ろうとしてきました。今回の政変も、昨年11月、政府がEUとの連合協定締結を見送ったことで、親EUの住民が反政府デモを始めたことが発端です。したがって、資本主義と社会主義の対立に基づく東西冷戦構造の復活といった、イデオロギー的なものとは必ずしも言えません。

 ポスト冷戦のアメリカによる一極集中の時代は終わりを告げ、世界は多極化しつつあります。こうしたなか、中国が台頭していますが、今回のロシアの動きは、新たな覇権国家の座をめぐって、プーチン大統領が名乗りを上げたとみることもできますね。

 --日本としてどのような対応が必要でしょうか

 北方領土交渉への影響を避けるよう配慮しつつも、日本として米欧の制裁に同調すべきとの論調が見られます。しかし、これからの世界を展望しつつ、「日本の国益をしっかり守る」という観点からは、必ずしもそうとは言い切れないと考えます。

 --具体的には

 日本にとって安全保障上の最大の脅威は、軍備増強にひた走り、領土的な野心を露わにする中国です。わが国にとって日米同盟が生命線であることは論をまちませんが、シリア問題でアサド政権に対して軍事行動に踏み切れなかったオバマ大統領の「腰砕け」ぶりを見る限り、仮に、今後、日中間で尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる有事などが勃発しても、果たしてアメリカが軍事力を行使してくれるのか疑問が残ります。対外的な関与には消極的で、内政を充実させたいというオバマ大統領は、“福利厚生大統領”のように見えます。

 集団的自衛権の行使容認による日米同盟の強化はもちろんですが、やはり、「自分の国は自分で守る」体制を整備することが肝要です。加えて、中国の暴挙を封じ込めるには、戦略的な取り組みが求められます。

 その観点から、わが党がかねて訴えているように、中国の背後に位置するロシアとの関係強化に取り組むべきです。シベリア開発などを通じた通商関係の強化はもとより、長年の懸案となっている平和条約締結も急ぐべきでしょう。

 同性愛宣伝禁止法などロシアの人権侵害に対する抗議を理由に、西側諸国の首脳が軒並みソチ冬季五輪の開会式出席を見送るなか、安倍晋三首相が出席したのは先見性ある行動でした。米国に盾突くように見えるのは避けなくてはなりませんが、日本としてはプーチン大統領の協力者とまではいかなくても、理解者であるという態度を、ある程度は残しておくべきだと思います。

 --ロシアといえば、北方領土問題という懸案がありますが

 今回のプーチン大統領の行動は、民主主義の風上にも置けないことではあるでしょう。しかし、知日派かつ“独裁者”のプーチン大統領なればこそ、北方領土返還が一気に前進することも期待できるのではないでしょうか。

 いずれにせよ、日本はロシアやアメリカ、インドといった国々との連携を強め、中国包囲網を築いていかなくてはなりません。世界史的に見ても、新しい転換点が近づきつつある今、国家国民を守り、国益を確保するには、したたかさも必要だと言えるでしょう。

                   ◇

【プロフィル】釈量子

 しゃく・りょうこ 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。大手家庭紙メーカー勤務を経て、94年、宗教法人幸福の科学に入局。常務理事などを歴任。幸福実現党に入党後、女性局長などを経て、2013年7月より現職。

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