財政制度等審議会(財務相の諮問機関)4日、分科会を開き、公共事業予算や地方財政などについて議論した。景気対策や巨大地震への対応などで歳出圧力が強まっている公共事業については、新規投資を国際競争力の向上や緊急性の高い防災機能の強化に絞り、総額を抑制するよう求めた。
分科会は、公共施設の維持費は20年後に足元の3・6兆円から5兆円規模に膨らむ一方、生産年齢人口は30年後に現在より約3割減る見通しである点を指摘。厳しい財政事情と人口減少を踏まえ、新規投資を限定した上、既存施設は地域ごとの人口動態や財政能力に応じて、必要性を精査すべきだとした。
地方財政については、多額の債務残高を抱える国が、16兆円超の地方交付税交付金を配分して歳入を支えている中、積立金残高が約4兆円増えた点を問題視。国の水準より高い公務員の幹部給与費の見直しや、一部業務の民間委託による経費削減を求めた。
また教育分野についても議論し、教育の質の向上と予算の効率化を両立するため、児童数の減少を考慮した小中学校の統廃合や、地方の国公立大の再編統合が必要との見方を示した。