国債の海外PR強化 財務省、専従の新組織7月めどに設置

2014.4.17 07:54

 財務省は、国債の海外販売拡大に向けた新組織を7月までに設置する。日本国債の9割超は国内で買われているが、日銀の大規模緩和に伴い長期金利が低下(国債価格は上昇)し、投資家の国債離れも進んでいる。財務省は国債の取得層を海外にも広げ、将来にわたる安定的な買い手を確保する狙いだ。

 新設する「国債政策情報室」(仮称)は、海外向けに国債をPRする専従部署。従来PRに当たっていた人員を拡充するほか、3カ月に1度だった英語での情報発信を毎月行い、海外の投資家向けの情報提供を強化する。

 また、情報提供の内容も大幅に見直し、国債に関するもの以外に、経済指標や政府の成長戦略など日本の経済動向を幅広く盛り込む考えだ。

 海外中銀との意見交換も強化し、欧米やアジア、中東など幅広く国債への投資を呼びかける。

 財務省の新施策について、SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「アベノミクスで日本経済に世界の注目が集まる今が好機だ」と指摘する。

 日銀の資金循環統計によると、昨年12月時点の海外投資家による国債保有額は81兆9千億円で、保有割合は全体の8・3%と、平成22年3月(46兆4千億円)に比べ約35兆円増加した。リーマン・ショック後の世界的な株安で、海外投資家が株式から債券にシフトする中、日本国債を買い増したためだ。

 だが、昨年4月の日銀の大規模緩和の影響で、長期金利は現在0・6%程度と低い水準が続く。また、国債の中心的な買い手だった国内の金融機関が資産運用を多様化し、国内の個人向け国債残高も5年間で10兆円以上減少するなど、投資家の国債離れも進んでいる。

 将来の人口減少により、1600兆円の個人資産が目減りし、政府の債務残高が資産を上回るなど国債への信用が損なわれれば、安定的な発行ができなくなる恐れがある。宮前氏は「国債の信認維持のためには幅広い国債の買い手を確保することが不可欠」と話した。

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