【ビジネスアイコラム】ウクライナ危機見つめる中東諸国 (1/3ページ)

2014.5.2 05:00

 世界がウクライナ情勢に注目するなか、中東諸国も今後の成り行きを真剣なまなざしで見つめている。事態の展開次第では自国の外交政策やエネルギー戦略に影響が及ぶからだ。

 意外なことにウクライナ情勢緊迫化による米露関係の悪化を懸念しているのが、ロウハニ大統領をはじめとするイランの穏健派である。イランは現在、米英仏中露にドイツを加えた6カ国と7月20日を期限とする核問題での最終合意を目指した交渉を行っている。多くの課題を抱える交渉で重要になるのは国内に交渉反対を唱える保守派を持つイランの説得である。実はイランとの核交渉の最終局面では同国との関係の良好なロシアの役割が期待されている。イラン穏健派が恐れるのは、米露関係がウクライナ問題でこじれロシアが核交渉で積極的な役割を果たさなくなる事態である。

 他方、イランの保守派は別の観点からウクライナ情勢を見つめる。周知のように旧ソ連時代に同国の核兵器を国内に保有していたウクライナは1994年1月、これらを廃絶することに合意した。当時のエリツィン露大統領、クリントン米大統領とクラフチュク・ウクライナ大統領が共同声明に調印し、ウクライナが同国内の核兵器をすべて廃絶する見返りに米露がウクライナの領土保全を順守するほか、ウクライナに対する武力などでの威嚇を除去すると保証したからであった。

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