経済とは中国の古典に登場する「経世済民」の略語だ。つまり、「世を経(おさ)め民を済(すく)う」こと。そして、経済と安全保障は切っても切れない関係にある。国家の使命は国民の生命、安全、財産を守ること、これこそが真の意味での経済であり、世を経め民を済うことだからである。
現在、一種の冷戦構造が復活し、世界の安全保障が大きく変わりつつある。ウクライナ問題は世界の西側と東側という冷戦構造を復活させた。冷戦における西側、東側の国家の枠組みは前回と同様であるが、そのイデオロギーは、以前のような共産主義と自由主義ではなく、独裁主義と民主主義の戦いとなっている。ご存知のように中国は共産主義ではなく共産党独裁自由主義経済である。そして、現在のロシアは共産主義に失敗し、民主主義にも失敗し、“プーチン大帝”率いる帝政ロシアといっても過言ではない。
先日、西側先進国はウクライナ問題を理由にG8からのロシアの一時除名を決めた。そして、資源系企業やプーチン大統領の関係者に経済制裁するなどロシアへの経済的な圧力を徐々に強めている。このような流れの中で中国は今回も西側ではなくロシア側についた。その結果、西側のリーダーである米国と中国の関係は大きく変化した。
先日のオバマ大統領のアジア歴訪にそれは如実に現れている。日米共同声明により、尖閣諸島(沖縄県石垣市)は日米安全保障条約に含まれるとした上で、東シナ海及び南シナ海への領土拡大を進める中国を批判し、同時に中国の一方的な防空識別圏設定を批判した。これはこれまで中国への批判を避けてきた米国の方針が大きく変わったことを意味するだろう。