フィリピン政府は公的教育の充実に注力する。同国予算管理省によると、教室不足解消のために73億5000万ペソ(約172億円)を新たに拠出し、全国で小学校5916教室、中学校1220教室を増設する。アキノ大統領は貧困撲滅に向けて教育政策を最重要課題の一つとしており、経済成長などにより教育への関心も高まるなか、今後も教育改革に積極的に取り組む姿勢を示している。現地紙インクワイアラーなどが報じた。
同国は2012年度から新教育制度「K-12」プログラムを導入。小学校6年間、中学校4年間、高等学校2年間の合計12年間と、幼稚園の年長1年間も義務教育に組み込んでいる。
同国政府は教育改革を推進するため、14年の総予算2兆2680億ペソのうち省別では教育省に最も多い3094億3000万ペソを割り当てており、来年度はさらに公的教育支出を増加する見込みだ。
同国の教育需要を見込んで外国企業も教育産業に参入している。英教育大手ピアソンは地場大手財閥アヤラ・コーポレーションと提携し、学費を抑えた中学校の運営に乗り出す。まず、750万ドル(約7億6700万円)を投じて50校を新設するという。同国では教育市場をめぐり新たな商機が広がりそうだ。(シンガポール支局)