タイは5月22日、昨年から続く政治混乱が軍事クーデターに発展したが、この政変をきっかけに消費者心理に改善の兆しがみられている。タイ商工会議所大学(UTCC)が毎月発表する消費者信頼感指数によると、5月の指数は70.7で前月に比べ2.9ポイント上昇した。同指数が前月比で上昇したのは14カ月ぶり。現地紙ネーションが報じた。
同指数は消費者の景気や雇用、所得の見通しなどを聞き取り形式で調査して数値化、100を上回ると楽観、下回ると悲観を示す。5月はクーデター後に全国2251人を対象として調査を実施した。
UTCCは政権を握った国家平和秩序評議会(NCPO)が、インラック政権の下で滞っていた「コメ担保融資制度」による農家への900億バーツ(約2826億円)の支払いを再開したことなどから政治的な不安が薄れ、消費者の安心感が高まったと分析した。
タイ商工会議所幹部は「消費者心理が上向いて購買意欲が高まれば、企業も事業拡大や投資増加に動きやすくなる」と述べ、会議所としても今後、消費者や企業の心理改善に努めていくとの姿勢を示した。