米大企業に「愛国心」要求…オバマ大統領の発言波紋 共和党反発、論戦過熱

2014.7.26 23:02

 【ワシントン=小雲規生】オバマ大統領が米国の大企業に「愛国心」を求めた発言が波紋を広げている。オバマ氏は24日の演説で、米国の大企業が税負担軽減を狙って、法人税率が低い外国の企業と合併する流れが強まっていることを批判。オバマ政権はこうした課税逃れ合併を抑止するための改革を促しているが、共和党からはかえって企業の米国離れを進めるだけだとの反発が出ている。オバマ氏の発言には中間選挙を前にした露骨な大企業たたきとの見方もあり、今後も論戦が過熱しそうだ。

 「合法かどうかの問題ではない。課税逃れ合併は悪い行いだ」。オバマ氏は24日、カリフォルニア州の大学での講演で大企業批判を展開して喝采を浴びた。

 米メディアによると、オバマ氏が矛先を向けた課税逃れ合併は過去10年で約50件あり、ここ数年でペースが加速している。約40%という先進国最高の法人税率を嫌う米国の大企業が、外国企業と合併して登録上の本拠地を米国から外すというパターンが多いという。

 オバマ氏はこれらの企業が事実上の本拠地は米国に残し、研究拠点や安全性といった米国で活動するメリットにただ乗りしていると指摘。企業は「経済活動上の愛国心」を持って、相応の税金を払うべきだと訴えた。オバマ政権は、合併で外国の低税率の恩恵を受けられる基準を厳しくするなどの税制改革で課税逃れ合併の抑止を目指している。

 しかし愛国心に欠けるとされた企業側はオバマ氏への反発を隠せない。スイス企業との合併を検討している米ドラッグストア最大手のウォルグリーンは「顧客と従業員と株主にとって最適な判断をする」とし、企業活動で米国に貢献しているとの自負をのぞかせた。

 また共和党のベイナー下院議長も25日、オバマ政権が目指す企業の手足を縛るような税制改革は企業の米国離れを促し、雇用を海外に流出させるとして、「オバマ氏の改革こそ愛国的とは思えない」と厳しく批判。徹底した税制改革による全面的減税を求めている。

 中間選挙を前にしたオバマ氏の大企業批判には「全くの政治的な発言」(政治専門紙ポリティコ電子版)として、中間層の支持を取り込むための戦略だとの指摘もある。

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