■消費と設備投資の自律的な伸びが鍵
--4~6月期の国内総生産(GDP)の実質成長率の改定値は前期比年率で7.1%減となった
「一言で言えば非常に悪い。前回(1997年)の消費税増税時より駆け込み需要は大きかったので、その反動減も大きい。消費税率を3%引き上げたことで民間部門は8兆円程度のマイナスの所得効果があると思うが、予想以上に落ち込んでいる」
--政府は足元の景気は緩やかに回復しつつあるとの見通しを維持している
「6月に少し良くなってきたといっても、あくまで反動減からの戻りだ。消費税増税のマイナス効果が峠を越えたという判断は間違っている。8月に全国で発生した自然災害は消費心理に悪影響を与えるし、現時点ではあまり良くない。7~9月期は落ち込んだ分が戻るが、10~12月期にはまた落ちる。デフレ脱却には緩やかなインフレマインドをつくることが必要だが、マインドの転換途中で増税というマイナスのショックを与えた格好で、非常に脆弱(ぜいじゃく)な状況だ」