マレーシアは浄水場で処理した水が受益者に届かない「無収水」の増加が問題となっている。同国の国家水道事業委員会(SPAN)によると、2013年の無収水率は36.4%で前年から0.2ポイント増加した。1日当たりでは約57億リットルが浄水場から家庭や企業など受益者に届くまでの間に失われた計算だ。このうち75%に当たる42億7000万リットルは、老朽化した水道管などによる漏水が原因とされる。現地英字紙スターなどが報じた。
業界団体のマレーシア水道協会は、同国の水道網で水道管として多く使用されている石綿セメント管の老朽化が水漏れの要因だと指摘する。石綿セメント管はセメントとアスベストを混合して製造するコンクリート管で、安価だが経年劣化が弱点として挙げられており、製造時や交換・撤去時にアスベストが飛散する可能性もあることから、現在は主流から外れている。
同協会は、同国の水道網のうち、約44万キロメートルで老朽化した石綿セメント管が使用され、交換には200億リンギット(約6640億円)の費用が必要だとしている。協会幹部は「州政府の財政は逼迫(ひっぱく)しており、水道事業者も料金を低く抑えているために設備投資の余裕がない」と述べ、中央政府主導による設備刷新の必要性を訴えた。