政府は6日、2015年度に介護サービスの報酬を引き下げる方針を固めた。介護事業者の利益率が民間企業の平均を上回り、報酬を引き下げる余地が大きいと判断した。ただ、高齢化で介護需要が高まっているのを踏まえ、介護職員の処遇を改善した事業者には報酬の一部加算を認める。具体的な引き下げ幅をめぐり、年末の予算編成に向けた財務省と厚生労働省の攻防が激化しそうだ。
マイナス改定となれば2006年度以来、9年ぶり。介護サービスの価格となる介護報酬は国が定めており、3年に1度見直している。費用は税金と保険料、利用者負担でまかなわれており、1%引き下げると税金(国と地方)が520億円、国民負担全体で1000億円の負担軽減につながる。
介護費用は14年度予算で10兆円。団塊世代が75歳以上になる25年度には20兆円超に膨らむ見通しで、費用の圧縮は社会保障費の歳出改革の焦点の一つとなっている。
14年度介護事業経営実態調査によると、収入に対する利益の割合を示す収支差率は、有料老人ホームや高齢者サービス付き住宅が12.2%、デイサービスが10.6%、特別養護老人ホームが8.7%。一方、民間企業の売上高経常利益率は平均5%程度で、介護事業者の利益率は高水準だ。
加えて、10兆円の介護費用の2割を占める特養の内部留保は1施設当たり3億円で、全国約6000カ所を合算すると計2兆円にのぼる。