吉川洋・東大大学院教授に聞く 社会保障維持へ10%判断を (1/2ページ)

2014.10.30 05:00

 来年10月に予定されている消費税10%への引き上げ判断が年末に迫り、政府内や経済界で意見の対立が鮮明になっている。財政制度等審議会会長の吉川洋東大大学院教授に聞いた。

 --消費税増税を延期すべきだとの声が高まっている

 「予定通り来年10月に10%に引き上げるべきだ。そもそも、消費税増税の目的は社会保障制度を持続可能な制度にするためだ。高齢化で年金、医療、介護の給付金など支出が膨らみ、現役世代が払う保険料だけでは賄えない分を税金で支えてきた結果、日本は国内総生産(GDP)の2倍超の財政赤字を抱えることになった。大きな戦争が起こっていない平和な国で、この巨額の赤字は異常だ。放置すべきではない」

 --1997年に消費税を3%から5%に引き上げた後、日本経済はマイナス成長に陥った

 「翌98年に経済が大きく落ち込んだのは、消費税増税だけでなく、特別減税の廃止や医療費の自己負担増など国民負担が9兆円増えたり、公共事業の大幅カット、アジア通貨危機の影響だ。なかでも、消費が落ち込んだ最大の要因は金融危機だ。誰もが潰れると思わなかった大銀行がある日突然、経営破綻し、『自分の預金を預けている銀行も危ない』という生活防衛意識から消費を冷え込ませた」

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