民政移管後、Wi-Fiを導入し改装した結果、外国人客でにぎわうゲストハウス。もともとは宝石商だった祖父が建てた家をホテルに改築した=ヤンゴン(宮野弘之撮影)【拡大】
民政移管と経済開放で、外国からの投資家や観光客が急増した結果、ミャンマーは慢性的なホテル不足に悩まされてきたが、そうした状況がようやく解消されそうだ。ミャンマーのホテル・観光省はこのほど、新たに31の外資系ホテルのオープンを認めた。さらに地方でのB&B(簡易宿泊施設)開設も進める方針だという。ただ、ミャンマー政府の中には、外国人との接触が急増することを警戒する声もあり、B&Bについては当面は地方に限定したい考えだ。
◆地方都市にB&B
地元紙のイレブン(電子版)によると、同省が認めた外資系ホテルの内訳は、ヤンゴンに20軒(3047室)、マンダレーに4軒(660室)、古都バガンに1軒(127室)。このほか、最南部でタイ国境のコートーンに2軒(252室)、リゾートとして名高いメイク(メルギー)に1軒(41室)。さらに東部シャン州のタチレクに3軒(291室)となっている。タチレクはミャンマー、タイ、ラオスにまたがり、アヘン交易で栄えた「黄金の三角地帯」に近く、いまもタイとの国境貿易が盛んな場所で、いずれも外国人観光客が多い地域だ。
同省によると、現在、正式な営業許可を取得しているホテルはヤンゴン地域で279、マンダレー地域329、シャン州200に上るという。
ただ、こうしたホテルのオープンも、増え続ける観光客には対応しきれないため、同省は新たにB&Bの認可を進める方針という。