開通目前のネアックルン橋で笑顔を浮かべる長大・オリエンタルコンサルタンツ共同企業体の橋梁エンジニア・安部善憲氏(左)。カンボジア人エンジニアたちとともに建設に取り組んだ(月刊プノン編集部・松藤浩一撮影)ケーブルが張り巡らされた「つばさ橋」は鳥の翼のように美しい=メコン川のネアックルン橋(月刊プノン編集部・松藤浩一撮影)【拡大】
カンボジア東部を流れるメコン川にかかるネアックルン橋が完成間近となり、橋をつなぐ閉合式が14日に開かれた。カンボジア最大級となるこの橋は、日本の無償資金協力で建設された。閉合式でフン・セン首相は、橋の愛称を「つばさ橋」とし、日本への感謝として、新たに印刷される五百リエル札にその姿を刻むことを明らかにした。国際協力機構(JICA)によると、開通は4月になる見込みだ。
◆近隣国にも寄与
ネアックルン橋は、ベトナム南部のホーチミン市へとつながるカンボジアの国道1号上に位置する。橋の全長は2215メートルで、本体に至るアプローチ道路も含めると全長5400メートルに及ぶ。無償資金協力の供与限度額は約119億4000万円。橋は2本の主塔に支えられ、そこからケーブルが斜めに張られた「斜張橋」で、日本の横浜ベイブリッジと同じ橋梁(きょうりょう)形式だ。
橋ができるまで、この地点の渡河手段はフェリーだけだった。人も車もフェリーで10分ほどの対岸まで渡っていたが、フェリーが混み合うときには川岸で4、5時間待たされることもあり、国道1号の交通のボトルネックとなっていた。
国道1号は、タイ・バンコクとカンボジア・プノンペン、ベトナム・ホーチミンをつなぐ「南部経済回廊」の一部でもある。南部経済回廊は、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジア、ベトナムの5カ国で形成する「メコン経済圏」の大動脈であり、このルートの輸送時間が大幅に短縮されれば、地域一帯の経済発展がさらに期待できる側面もある。
ネアックルン橋は、2010年に着工したが、開発調査が始まった04年から数えると10年をかけて完成した。JICAによると、メコン川の速い流れにも耐えられるよう、主橋梁は直径2.5メートル、長さ70メートルの杭(くい)22本を地中に打ち込んで橋脚にした。