金やプラチナの売買を行う投資家が増えてきた=2月、東京都中央区のギンザタナカ銀座本店【拡大】
金価格がプラチナ価格を上回る“逆転現象”が続いている。スイス国立銀行(中央銀行)が1月15日に通貨政策を突如変更し、ユーロ相場が急変動するなど、金融資本市場に大きなショックが起きたことで、世界中の投資家が「安全資産」とされる金を買いに走った影響が尾を引いている。約2年ぶりとなる珍現象が、投資家のひそかな注目を集めている。
田中貴金属工業の店頭では3日、金の税込小売価格は前日比22円安の1グラム=5082円、プラチナは12円高の1グラム=5031円で取引された。
価格の逆転が起きたのは1月19日。ギリシャ債務問題や原油安を背景に、金が買われやすい状況だったところに、スイス・フランショックが引き金となり、金を買う動きが加速。同月23日には、前回逆転現象が起きた、2013年4月12日以来の高値となる1グラム=5383円をつけた。プラチナ価格も同じ日に直近の高値をつけたが、金価格の上がり方がそれを上回った形だ。