日銀本店前を歩く男性。GDPは下方修正され、春はまだ遠い?(AP)【拡大】
内閣府が9日発表した平成26年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)の改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・4%増、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で1・5%増となった。先月発表された速報値の前期比0・6%増、年率2・2%増から0・7ポイント下方修正した。
速報値の発表後に公表された10~12月期の法人企業統計調査などの結果を反映した。
個人消費は上方修正となったが、設備投資が下方修正された。在庫の取り崩しが進み、在庫投資のGDPへの寄与度がプラスからマイナスに転じたことが大きく影響した。
設備投資は、速報値の前期比0・1%増から改定値では0・1%減となった。幅広い業種で企業が設備投資になお慎重な状況が浮き彫りになった。
在庫投資は、寄与度が前期比0・2%増から0・2%減に下方修正。内閣府によると自動車や衣料品などの流通段階の在庫調整が進んだことが主な要因。その結果、個人消費は前期比0・3%増から0・5%増に上方修正された。
公共投資は速報値の0・6%増から0・8%増へと上方方修正。輸出も前期比2・7%増から2・8%増に上方修正された。住宅投資は前期比1・2%減で変らなかった。
景気実感に近いとされる名目GDPは前期比1・0%増(速報値は1・1%増)、年率換算で3・9%増(同4・5%増)に下方修正された。