フィリピンは首都への人口流入が続いている。世界銀行が発表した報告書「東アジアの都市変遷」によると、マニラ首都圏の人口は2010年に1650万人に達し、同国2番目の都市であるセブ(150万人)の10倍以上となった。一方で都市部の面積拡大や新都市建設が進展せず、人口の一極集中や過密を懸念する声が上がっている。現地紙マニラ・タイムズなどが報じた。
同報告書によると、マニラ首都圏を含めたフィリピン全体の都市人口は2000年の1700万人から年平均3.3%増加して10年に2300万人となった。1平方キロ当たりの人口密度は9500人から1万300人となり、同国は韓国に次いで2番目の都市人口過密国となった。
マニラ首都圏については、10年間の人口増加率が年3.1%だったのに対し、面積が1000平方キロから1300平方キロと年平均の拡大率が2.2%にとどまり、1平方キロ当たりの人口密度が1万1900人から1万3000人となった。同首都圏は10年のフィリピンの都市部面積で56%、都市人口で70%を占めており、一極集中状態が続いている。