フィリピン・マニラ港に滞留するコンテナ=昨年8月(AP)【拡大】
フィリピンは、深刻化していたマニラ港の混雑がようやく緩和されてきた。同国港湾庁は、2月時点でマニラ港のコンテナヤードの利用率が最適とされる80%を下回るまでに改善されたとし、マニラ港の状況が正常化しているとの見方を示した。官民双方が混雑緩和の取り組みに注力したことが奏功したと同庁はみている。現地経済紙ビジネス・ワールドなどが報じた。
同国では昨年2月、マニラ市当局が交通渋滞解消などに向け、日中のトラック乗り入れを規制したことなどによりマニラ港の物流停滞が深刻化し、物流コストの上昇などさまざまな問題を引き起こした。同規制は9月に解除されたものの、マニラ港の貨物滞留は続いていた。
混雑緩和に向け、同国政府はルソン島南部のバタンガス港を利用するよう企業に要請するともに、マニラ港の港湾作業の効率化などを推進。マニラ港のクレーン1台の1時間当たりコンテナ取扱量は、昨年4月の10コンテナから、今年2月には18コンテナに増加した。