中国の李克強首相は15日、全国人民代表大会(全人代=国会)の閉幕後に北京で記者会見し、2015年の国内総生産(GDP)成長率として掲げた7.0%前後の目標について「実現は容易ではない」とした上で、必要に応じて景気刺激策を打ち出す考えを示した。また、党要人らが相次ぎ失脚している汚職摘発の継続を表明した。
李氏は「中高速の成長を保ちながら経済の質を高め、世界経済にも貢献する」と強調。7%成長が「中規模国1つ分のGDPを創出するのと同じ(経済効果がある)」と説明し、国際社会の懸念払拭に努めた。「いわばL次型回復の政策」(国際金融筋)を確認した形だ。
環境問題は「法による統治が鍵だ」として、25年ぶりの改正で1月に施行した環境保護法の下で厳しい姿勢で臨む決意を示した。さらに「省エネや排出削減の指標は今年から主要な経済指標と同列になる」と表明。石油業界など既得権益層が握る国有企業の改革に、環境保護面から切り込む姿勢もにじませた。