インドネシア はびこる海賊版 薄い著作権意識 業界損失年500億円超 (1/2ページ)

2015.3.24 05:00

ショッピングモール内の海賊版DVD・CD販売店。日本の映画やテレビドラマもある=南ジャカルタ(横山裕一撮影)

ショッピングモール内の海賊版DVD・CD販売店。日本の映画やテレビドラマもある=南ジャカルタ(横山裕一撮影)【拡大】

  • 南ジャカルタの屋台で売られているマスク。日本などのキャラクターが無断で使用されている(横山裕一撮影)

 首都ジャカルタの商店街や多くのショッピングモールで、映画や音楽などの海賊版DVD(インドネシアではVCD)やCDの販売店が目立つ。正規版のジャケットをカラーコピーしたパッケージの海賊版がジャンルや国別に大量に並ぶ。南ジャカルタの路上で販売する男性は「シンガポールから入荷する」とこっそり話す。中には映画館でひそかにビデオカメラで撮影されたものもある。

 ◆1枚60~100円

 音楽CDはほとんどがインターネットの無料サイトからダウンロードしたもの。海賊版の値段は1枚約60~100円。地方へ行くともっと安いものもある。よく購入する大学生は「違法なものとは知っているが、正規版1枚分の値段で10枚以上を買える」と安価が魅力であることを打ち明ける。

 インドネシアビデオ産業協会によると、1日に全国で約100万枚の海賊版DVDが売れているという。すでに市民権を得たかのように多くの購入者がいるのも事実だが、海賊版による業界損失額は年間に約500億円に上るともいわれている。

 インドネシアでは著作権の保護政策や取り締まりの実施が大きく遅れているのに加え、消費者の著作権に対する意識も薄いのが現状だ。街の小売店や屋台には、明らかに著作権を得ていないと思われる人気キャラクター商品があふれている。また、テレビ局の歴史番組でも数十年前の過去の映像が放送される際、「映像元はユーチューブ」とテロップが出る。

 インドネシアで日本のキャラクターコンテンツビジネスなどを展開する日系企業の現地駐在員も「インドネシアの人々はまだ、版権に金を支払う意識が薄い」と指摘し、現地の著作権ビジネスの難しさを説明する。

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