政府は15日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に関する初の公開説明会を東京都内で開き、TPPの協定文29章のうち3分の2が未決着だと明らかにした。一方、米領グアムで同日から予定されていた交渉参加12カ国の首席交渉官会合は台風の影響で順延された。16日から残された論点を絞り込み、政治決着の舞台となる閣僚会合につなげることを目指す。
公開説明会は情報開示の在り方を問題視する国会議員などの指摘に応えて開かれ、関連業界団体や農業の関係者、主婦ら約400人が参加。政府は交渉参加時に結んだ秘密保持契約を踏まえて現状を公表した。
それによると国境を越えたサービス貿易ルールを定めた「越境サービス」など10章分で交渉が終了。公共事業の外資開放ルールを定めた「政府調達」などで交渉終了が間近なほか「知的財産」「国有企業改革」「投資」が難航している。参加者からは「関税交渉の状況など知りたい分野の説明がない」といった不満の声もあった。