Ｇ７財務相会議　欧州、高まる中国依存　インフラ銀で日米と足並み乱れも (1/2ページ)

　【ドレスデン＝佐久間修志】日米欧の先進７カ国（Ｇ７）財務相・中央銀行総裁会議が２７日夜（日本時間２８日未明）から、ドイツ東部のドレスデンで開幕する。２８日からの本会合で、中国が主導するアジアインフラ投資銀行（ＡＩＩＢ）についても議論されるが、ＡＩＩＢ参加を見送った日米に対し、ドイツを中心とする欧州勢は経済面で中国への依存を強め、ＡＩＩＢに参加する見通しだ。中国をめぐってＧ７の足並みが乱れる可能性もある。

　エルベ川に臨み、ザクセン王朝時代の宮廷文化が香り立つドイツの古都・ドレスデン。人気の観光スポット、フラウエン教会前広場には、欧州各国からの旅行客に交じり、「中国人の姿を見る機会が増えた」（みやげ物店主）という。インフォメーションセンターにも、中国語表記のパンフレットが並ぶ。

　ドイツ観光局によると、格安航空会社（ＬＣＣ）の浸透や鉄道の高速化などを追い風に、ドイツを訪れる外国人数は右肩上がりに増加している。２０１４年のドイツ国内の外国人宿泊数は７５００万泊を超え、５年前の約１・４倍。観光業界の雇用者数約２９０万人は自動車産業に匹敵するまでに成長した。

　観光客の内訳は、他の欧州各国からが７割以上を占めるが、増加分は中国の寄与が大きい。中国人客の宿泊数は１３、１４年と２年連続で２ケタの伸び。３０年には１４年の約２・６倍と試算される。観光局は「日本人観光客数が００年から伸びないのとは対照的だ」と話す。