米政府が5月29日にキューバに対するテロ支援国家指定を解除したことを受け、商機拡大をにらんだ日本企業がキューバに熱視線を送っている。11月にも日キューバ官民合同会議の初会合が現地で開催されるほか、国際協力機構(JICA)は今夏にもがん治療の医療機器調査団を派遣、日本企業の輸出を後押しする計画だ。これまで日本は米国に配慮してキューバで目立った経済活動を行ってこなかったが、今後企業の進出ラッシュが起きる可能性がある。
岸田文雄外相は4月末から5月初めにかけて、キューバを訪問。官民合同会議の新設で合意するとともに、無償資金協力の再開方針を打ち出した。この訪問には大手商社やメーカーが参加する任意団体「日本キューバ経済懇話会」を中心に双日、住友商事、コマツ、マツダなどメーカー約15社30人が同行。外相の海外訪問に産業界が同行するのは異例で、キューバに対する関心の高さをうかがわせた。
キューバは昨年6月に新外国投資法を制定。外資誘致で輸出や雇用を拡大させる経済成長を描いており、今回の指定解除で誘致戦略を本格化するとみられている。