農林水産省は1日、地域特有の農産物や食品を国がブランドとして保護する「地理的表示保護制度」の登録申請の受け付けを開始した。受け付け初日は、北海道の「夕張メロン」や鳥取県の「砂丘らっきょう」、奈良県の「三輪素麺」など19産品の登録申請があった。
登録された地域ブランドは、その地域ならではの伝統製法や品質などの基準を満たしたことを国が証明する認定マークを表示できる。同様の名前での類似品販売や、マークの無許使用などには罰則が科される。国が品質の“お墨付き”を与えることで、類似品との差別化や不正表示の取り締まりに役立てるだけでなく、地域ブランドの向上や地方特産品の輸出拡大にもつなげる狙いだ。
伊勢神宮にも奉納される高級生糸「伊予生糸」を申請した愛媛県の生産者団体関係者は「生産者が激減し、今後、奉納ができるか心配されている。国のお墨付きを受けることで、養蚕業が再び盛り上がるきっかけになれば」と期待を寄せた。また、夕張メロンを申請した団体関係者は「国がブランドを保護してくれるのは心強い。若い生産者にも励みになる」と話した。