【ワシントン=小雲規生】オバマ米大統領は3日、公共ラジオ番組のインタビューに応じ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉について、「中国はどこかの時点でTPPに参加する可能性について調査を始めている」と述べた。TPPが目指す知的財産や労働、環境などに関する高い基準のルールが中国にも及ぶ可能性を示すことで、TPPに慎重な議会の一部を説得する狙いがある。
米下院本会議は近く、5月に上院を通過した通商交渉の権限を大統領に委ねる貿易促進権限(TPA)法案の審議を始める見通し。TPA法の成立はTPP合意に不可欠とされるが、自由貿易に慎重な民主党議員の多くや、オバマ氏に権限を委ねることを敬遠する共和党の一部が反対する意向を示している。
アーネスト大統領報道官は同日の記者会見で、「大統領は議会との対話を続けていく」と述べ、オバマ政権としてTPA法成立を後押しする姿勢を改めて示した。