乳児用食品などのラベル表示基準を新たに定めた「包装済み特殊食事用食品ラベル」の7月1日からの実施を控えた中国で、輸入粉ミルクの値下げ競争が激化している。新基準では、生後6カ月までの乳児用パッケージ食品のラベル表示で栄養成分の含有量の多さやその効果をうたう表現を禁止するからだ。
ラベルに「DHA含有量は通常の4倍」などと表示された粉ミルクは今後、姿を消すことになり、販売店などはこうした旧パッケージの在庫を6月中に消化したい考えだ。
中でもインターネット通販の各サイトは今月18日を中心とした大型販促キャンペーン期に大幅値下げし、実店舗の値下げ幅を大きく上回った。
アマゾン中国では、ニュージーランドのカリケアゴールドシリーズ900グラム入りが1缶139元(約2750円)、2缶買うとさらに100元の値下げ。京東商城モバイル版では、仏ダノン傘下のデュメックス幼児用粉ミルクが3缶で369元といった具合。主流サイズの900グラム入りのほとんどが200元を下回り、国内ブランドとの差はなくなっている。
中国国際電子商務(電子商取引)センター国内取引情報センターの乳製品アナリスト、霍暁娜氏は「2年近くで世界の生乳生産が大幅に増加した一方で、世界最大の需要国、中国で需要が低迷し在庫が高止まり。粉ミルクの価格が下落するのは当然だ。今後数年間は価格情報や販売網がより透明化され、さらに値が下がるだろう」と話している。(北方網=中国新聞社)