米上院は24日午後(日本時間25日早朝)の本会議で、通商交渉の権限を大統領に委ねる貿易促進権限(TPA)法案を60対38の賛成多数で可決した。TPA法案はすでに下院を通過しており、今後、オバマ大統領の署名を経て成立する見通しだ。TPA法は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の合意に不可欠とされており、交渉各国による調整が加速しそうだ。
TPA法案は、政府が合意した自由貿易協定を議会に諮る際、合意内容に修正を加えることを認めないとする内容。TPA法が成立すれば、米議会が合意内容を覆すことができなくなるため、TPP交渉各国は合意に向けて歩み寄りやすくなる。
交渉各国は7月下旬に閣僚級会合を開く見通し。ただ、日本が重要農産品にかける関税の扱いや、日米と新興国の対立が続く知的財産分野など問題点も残っており、大筋合意に到達できるかどうかは予断を許さない状況だ。(ワシントン 小雲規生)