銀行のATMに行列する市民=28日、クレタ島(ロイター)【拡大】
【ベルリン=宮下日出男】ギリシャのチプラス首相は28日、国内銀行の営業を29日から停止させ、資本規制を導入することを発表した。預金流出が加速し、国内の金融システムが混乱するのを防ぐ目的。欧州連合(EU)の金融支援の期限切れを30日に控え、デフォルト(債務不履行)や財政破綻など国内で高まる不安に緊急措置を迫られた。
チプラス氏は28日、テレビ演説で資本規制の導入を明らかにした。理由については、欧州中央銀行(ECB)が同日、国内銀行への追加支援を見送ったことを指摘。国民に対しては預金のほか、賃金や年金の支払いも「安全だ」と述べ、冷静な対応を求めた。
チプラス氏はまた、ECBの判断は、国民投票実施のために求めた支援延長をEU側が拒んだためだとし、EU側を批判。同時にEU側には改めて延長を認めるよう要請したことを明らかにした。