環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、新薬の開発データの保護期間をめぐり、最終的な合意期間までの段階的な移行措置を認める経過期間を設ける方向で調整していることが24日、分かった。新薬の開発データは知的財産の一種で、具体的な保護期間の設定に関して米国と新興国などの対立が続いている。経過期間は双方の歩み寄りが狙いで、米ハワイのマウイ島で現地時間の同日(日本時間25日)から始まる交渉参加12カ国の首席交渉官会合で詳細を協議する。首席交渉官会合は27日までで、期間中は知的財産などの懸案について少数国の協議も並行して進める。続く28~31日までは交渉全体の大筋合意を目指し、12カ国の閣僚会合が開かれる予定だ。
安倍晋三首相は24日、官邸で開いたTPPの関係閣僚会議に出席し、ハワイ会合に向けて「国益を最大限実現する成果を挙げてもらいたい」と指示。甘利明TPP担当相は会議後に記者団に対して「TPPの命運を左右する極めて重要な会合だ。最後の会合にしなければならない」と妥結に意欲を示した。