TPP“膝詰め談判”で着地点探る 後ろ向きなカナダも切迫感

2015.7.29 06:03

 大詰めを迎えている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は27日(日本時間28日)に首席交渉官会合を終え、28日からは閣僚会合に舞台を移す。大筋合意に向け参加各国とも切迫感を強めてきており、交渉の出遅れが指摘されたカナダも重い腰を上げ始めた。閣僚会合は利害の対立する国同士の直接折衝が中心になる見通しで、知的財産などの難題について“膝詰め談判”で着地点を探る。

 「依然残されている課題は各国のセンシティビティー(敏感な部分)が相互に絡み合う案件。閣僚会合や閣僚の2国間会談を通じて解決していかなければならない」。甘利明TPP担当相は27日、米ハワイで記者団にこう述べ、今回の閣僚会合を「最後」としたい考えを改めて強調した。

 こうした思いは参加各国で共有されているもようだ。

 オーストラリアのロブ貿易相は豪州時間の27日、同国のラジオ局のインタビューに対し「米国の政治日程を踏まえれば、今週の交渉は極めて重要だ。もしも大筋合意できなければ、今後2年間は決着をつけることが極めて難しい状況になるだろう」と指摘した。甘利氏も「各国とも相当な決意を持って、本会合に臨んでいる」と明かした。

 これまでは、交渉に後ろ向きなカナダが合意の障害となることが懸念されたが、「カナダも切迫感を持って踏み込んだ(交渉の)カードを切り出した」(甘利氏)という。

 今回の閣僚会合では、知的財産などルール分野の残された懸案についても全体会合より2国間協議に多くの時間が割かれる見通しだ。

 難航する新薬データの保護期間などで、米国が対立する新興国などに直接譲歩を迫る場面も想定され、「日本が米国に反発する国の“駆け込み寺”となる可能性もある」(交渉筋)。 (米ハワイ州ラハイナ 本田誠)

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