政府は6日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉について、月内の閣僚会合開催を断念する方針を固めた。7月末の米ハワイでの閣僚会合後、8月中の再度開催を目指すとしていたものの、新薬のデータ保護期間や乳製品の市場開放をめぐる各国の利害対立を限られた時間で乗り越えるのは困難だと判断したもようだ。9月以降の開催を目指して各国と調整を図るが、先行きは見通せない。
「TPP交渉参加国のうち複数が夏休みに入っており、連絡が取れない。月内の大筋合意にはとても間に合わないだろう」
政府高官は、ため息交じりにうなだれた。米ハワイでの閣僚会合後の7月31日、甘利明TPP担当相は「8月末に次回会合をする共通認識がある」と強調。8月中に次回の閣僚会合を開催できれば大筋合意できるとの見通しを示していた。
だが、米国は「日程を確定すべきではない」との立場を取り、米国など一部の参加国では交渉担当者らが夏休みに入り、交渉は事実上中断。22~25日にマレーシアで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)経済相会議に合わせ、同国周辺で閣僚会合の開催が検討されていたが、政府は準備が間に合わないと判断した。