TPP交渉が、大筋合意に向けて再び動き出した。日米など交渉参加国は月末から来月初めにかけ開く閣僚会合を今度こそ「最後の会合」としたい考えだ。ただ、交渉は知的財産の新薬データ保護期間など残された課題で参加国間の溝を埋めきれる保証はなく、「漂流」する懸念と紙一重の状況に変わりはない。
「交渉はだいぶ良い方向に進んでいる」。日本の交渉関係者は17日、今回の閣僚会合での大筋合意に自信を示した。
交渉参加国が閣僚会合の開催を急ぐのは、主要参加国の一つであるカナダで10月19日に総選挙が予定されているためだ。政権交代となった場合、これまでの交渉がほごにされる恐れがあり、選挙前に大筋合意を取り付けたいとの判断があった。
甘利明TPP担当相も、カナダの総選挙までに大筋合意できなかった場合は「(交渉が)年単位の時間を要する事態になることを危惧している」と危機感を示していた。