多国籍企業の過度な節税策を防ぐために、日米欧や新興国など約40カ国が導入する15の国際ルールがまとまった。租税回避地(タックスヘイブン)を使うなどして税負担を軽くしている企業の抜け穴を、各国が協調した新たな税の枠組みでふさぐ。
新ルールは経済協力開発機構(OECD)がまとめ10月5日に最終報告書を公表、8日にペルーで開かれる20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議で承認される見通し。OECDとG20に加盟する約40カ国は新ルールに基づき、国内法などの整備を進める。
タックスヘイブン対策では、税率の高い国の親会社から、実体のない子会社に所得を移すことなどを防ぐ仕組みをつくる。税率の低いケイマン諸島などにつくった子会社に特許などの知的財産を移転し、ロイヤルティー収入などに対する本社所在国の課税を回避するケースが後を絶たないからだ。知財の譲渡額が移転後の評価額より2、3割以上安価であれば、追徴できるようにする。