北京市内のスーパーの棚に並ぶ乳製品。中国の乳業メーカーは今年上期、海外製粉ミルクの値下げ販売などが影響し、低迷が続いている(中国新聞社)【拡大】
中国の大手乳業メーカー14社はさきごろ、今年の中間決算を発表したが、このうち半数以上の企業で今年上期(1~6月期)の売上高と最終利益が前年同期に比べ減少した。乳業業界の専門家によると、同業界は現在、発展低迷期に入っており、消費を伸ばすために製品構成の調整が待たれるという。
◆粉ミルクで激戦
最終利益の下げ幅が最大だったのは貝因美嬰童食品。業績が低下した2014年に続いて今年の状況も厳しく、上期の最終利益は前年同期比195.51%減の1億300万元(約19億4670万円)の赤字だった。
北京三元食品の今年上期の売上高は、0.85%減の22億3000万元、最終利益は72.31%減の4957万7500元。広州市合生元生物制品(合生元)の業績も、低迷が明らかで、上期の売上高は10.3%減の17億7200万元、最終利益は34.4%減の2億500万元だった。澳優乳業(オースニュートリア・デイリー)の売上高は2.6%減、最終利益は24.3%減の4100万元だった。
こうした中で大手3社の内蒙古伊利実業集団(伊利)、蒙牛乳業、光明食品は業界1~3位を維持、上期の売上高はそれぞれ301億5100万元、255億6400万元、100億6100万元を達成した。しかし売上高の格差は14年上期には(1位と2位の間が)28億2000万元、(2位と3位の間が)118億9900万元だったものが、今年上期にはそれぞれ45億8700万元と155億300万元に拡大している。トップの伊利の売上高は9.76%増で、最終利益は18.76%増の31億8800万元だった。