経常黒字１兆６５３１億円　８月、前年の６・６倍　原油安や訪日客増で

　財務省が８日発表した８月の国際収支（速報）によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は１兆６５３１億円の黒字だった。黒字は１４カ月連続となり、黒字額は前年同月の６・６倍に拡大した。原油価格の下落などを背景に貿易赤字が縮小したほか、訪日外国人旅行者数が８月として過去最高となり、旅行収支の黒字が拡大したことなども寄与した。

　輸出から輸入を差し引いた貿易収支は３２６１億円の赤字で、赤字幅は前年同月の８５２６億円から大幅に縮小した。原油安による輸入減に加え、輸出も前年同月比３・６％増となり収支が改善した。

　貨物輸送や旅行などによるサービス収支は５７８億円の黒字となり、前年同月の２６７５億円の赤字から黒字に転換。旅行収支に加え、知的財産権等使用料の黒字拡大も貢献した。

　海外投資から得られる利子や配当を示す第１次所得収支は、証券投資収益などが増加し、２兆５１８億円の黒字だった。