環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の参加12カ国は5日、協定文案を全文公表した。公共工事などの政府調達で発効後3年以内に適用範囲の拡大を交渉するほか、7年後には一部参加国の要請に応じ関税引き下げの規定を再協議するなど関税、ルールそれぞれの分野で合意内容を見直す規定が設けられていることが明らかになった。
ルール分野の見直し規定は、主に米国やオーストラリアなどの連邦制国家が「権限が及ばない」と州政府単位の貿易開放に難色を示したことを受けて設けられた。政府調達では3年、国有企業改革では5年以内に追加的な交渉を行うと規定している。
関税分野の再協議は、農家への打撃を避けるため関税撤廃や引き下げに長期間をかける措置や、輸入が急増すれば関税を引き上げる緊急輸入制限(セーフガード)などが主な対象。米国やカナダなど5カ国との間で相手国からの要請に基づき協議すると規定した。
見直し規定は「通商協定では一般的に盛り込まれるもの」(内閣官房幹部)という。1月に発効した豪州との経済連携協定(EPA)も5年後に関税などの再協議を設定している。