■アウンサン・スーチー氏の党の経済政策
11月8日に投票が行われたミャンマーの総選挙では、政策論争が不在であったと言われる。だが、それこそが、この総選挙を政策の選択ではなく、国の指導者を選ぶ選挙と位置付けた、国民民主連盟(NLD)のいわば選挙戦略であり、同党の大勝はそれが見事に功を奏した結果であると言えよう。しかし、それはNLDに政策がないことを意味するものではない。党の方針は9月14日に公表されたマニフェストにつづられている。そこには、まず国民の暮らしを改善するための内政や外交の方針が掲げられ、それを実現するための政策として、経済、農業、畜産、労働、教育、保健、エネルギー、環境、女性、若者、通信、運輸、都市、といった項目が並んでいる。