ジャカルタ市内の法廷で、イスラム過激派への勧誘をしたとして裁判にかけられる容疑者(中央)。インドネシアでもテロの脅威が身近に迫っている=10月(AP)【拡大】
11月13日に起きたパリのテロ事件は、世界中の人々にイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の脅威が身近に迫ってきているという不安と恐怖を与えた。パリだけではない。前日12日にはレバノンの首都ベイルートで、また24日にはチュニジアの首都チュニスでも相次いでイスラム国による犯行とみられるテロが起きている。
◆過激派参加は限定的
インドネシアでも、ルフット・パンジャイタン調整相(政治・治安・法務)がこれまでに700人がイスラム国に参加するため中東に渡ったと明かし、対応強化を迫られていると答えたばかりである。
イスラム国だけではなく、シーア派やアフマディアといった宗教コミュニティーを攻撃するグループも現れた。インドネシア国内における他宗教への寛容さが失われてきており、イスラム過激派が増えてきているという分析も多い。
しかし、一方でインドネシアはある程度、過激派の伸長を抑え、イスラム国への参加も抑え込んでいるとの声もある。
世界最大の約2億人のムスリム人口を抱え、そのうちの700人がイスラム国に参加したのであれば、割合だけを考えると、非常に限定的なことが分かる。例えば、約1100万人のチュニジアからは1500~3000人が参加、フランスは全人口の5%に当たる約350万人強がイスラム教徒だとして、そのうち1200人が参加している。インドネシアと比較して、フランスやチュニジアの深刻度がみえてくる。
また、インドネシアからイスラム国へ参加した人々の中には、思想的な背景よりも経済的な理由から、家族そろって行政サービスを提供する者としてイラクやシリアに渡ったケースもあるようだ。