会計検査院は6日、政府が平成26年度までに計上した東日本大震災の復興予算計29兆3946億円のうち、予算執行されず不用となった額が13・4%に当たる3兆9461億円に達したとする検査結果を発表した。不用になったのは道路や港湾などを修復する災害復旧事業で8522億円、避難住民の帰還に向けた原子力災害復興関係費で5605億円など。過大な需要見積もりに加え、用地買収や住民調整に時間がかかり、事業を実施できなかったことが主な原因だった。
東京電力が全額負担すると法律で決められている福島第1原発事故に伴う除染関連費用については、農林水産省が24年度から実施した国有林の除染費用2億4345万円を東電に請求していなかったことも判明した。会計検査院は、除染事業を行う関係省庁に対し予算管理の体制を早急に整備し、東電への費用請求で不備がないよう求めた。
また、津波被害を受けた岩手や宮城、福島など6県の33市町でインフラ復旧状況を調べたところ、事業費計6兆6259億円のうち学校や道路などの設備が完成した予算は1兆6743億円(25・3%相当)にとどまっていた。