5日のニューヨーク外国為替市場の円相場は一時、約1年5カ月ぶりの円高水準となる1ドル=109円92銭まで上昇した。安倍晋三首相が米紙のインタビューで為替介入に慎重な姿勢を示し、介入で円安に押し戻されることへの警戒感が薄れ、円買いに拍車が掛かった。
午後5時現在は前日比1円02銭円高ドル安の1ドル=110円30~40銭。ユーロは1ユーロ=1・1380~90ドル、同125円57~67銭。
首相は米ウォールストリート・ジャーナルに対し「外為市場で恣意的な介入は控えるべきだ」と述べた。輸出で有利になるよう自国通貨を切り下げる「通貨安競争」は「断じて避けなければいけない」とも語った。
この日はアジアや欧州の株安で投資家がリスク回避志向を強め、相対的に安全な通貨とされる円が朝から買われた。昼に首相発言が伝わると円は一気に50銭ほど上昇し、1ドル=109円台をつけた。(共同)