訪日外国人客で混雑する関西国際空港。訪日客の地方観光への動きが活発化する一方で、レンタカー利用者の事故増加も懸念されている【拡大】
■国交省、自賠責手続き多言語対応推進
国土交通省は25日、増加する訪日外国人客の交通事故に対する支援態勢強化のため、自動車損害賠償責任保険(自賠責)の補償手続きに際し、多言語対応が可能となる問い合わせセンターを運営する事業者の公募を開始した。個人旅行の訪日客が地方観光にレンタカーを利用するケースが増えており、“もしも”へのサポートを充実させる。
自賠責は自動車運転中に他人にけがを負わせたり死亡させた場合、一定の対人賠償を補償する制度だが、事故発生時、当事者が日本人ならば取り扱い保険会社が対応する一方、訪日客の場合は手続き方法や対応者の連絡先さえ分からないのが実情だ。国交省の調査では、訪日客から「相談窓口がほしい」などの意見が上がっていた。
問い合わせセンターは、交通事故の際、訪日客に対し自賠責保険制度の詳細や手続きについて説明するなどの業務を想定。当初は事故以外の問い合わせを抑えるため、訪日客の要望に応じて医療機関のスタッフらが問い合わせる形をとる。今後、一般競争入札を経て運営事業者が決まり、今夏にもセンターが試験的に開設される見通し。
アジア諸国の経済成長や円安などを受け、訪日客数は2015年度で2000万人を突破、今後も増加基調が見込まれる。リピーターの訪日客は地方観光への動きも活発で、レンタカー利用者数も11年の17万9000人から13年は34万5000人と約2倍に。反面、交通事故の死傷者数に占める外国人の割合も高まっている。
政府がとりまとめた「明日の日本を支える観光ビジョン」では、訪日客数の上積みに向け、「ストレスなく快適に観光を満喫できる環境」を掲げており、訪日客に対応できる医療機関の整備や治安の充実など、安心・安全の向上を目指す施策が盛り込まれた。