【高論卓説】消費増税再延期と燃費不正問題 (1/2ページ)

2016.6.6 05:00

 ■時間的猶予の中、思い切った制度改革を

 来年4月に予定されていた消費税率引き上げの再延長が決定され、予定から2年半後の2019年10月に先送りされる。この決定には、自動車を取り巻く需要、税制、環境規制など、重要な要素に多大な影響を及ぼす可能性がある。

 第1に、需要面への影響だ。日本自動車工業会による16年度の需要予測は久々に強気な525万8400台(前年度比6.5%増)を掲げ、減少傾向が顕著な国内新車販売が3年ぶりに反転するとみていた。この予測には、おおむね20万台強の税率引き上げ前の駆け込み需要が織り込まれていたと考えている。

 足元の需要水準は、季節調整後の年率換算レートで約500万台前後。駆け込み需要が見込めないとすれば、500万台を割り込む可能性もある。円高に苦しむ自動車業界にとって、国内販売の好転が見込めないのは痛手だ。

 第2に、来年4月に撤廃予定の自動車取得税が存続し、同時に燃費性能に応じて課税する「環境性能割」制度の導入が先送りされることが既成事実となった。

 「環境性能割」とは、燃費性能の高いクルマは取得税(2~3%)分を減税し、そうでないクルマは、取得税廃止といいながら、消費税に加え、取得税と同額の税金を徴収しようというものだ。この新税制は、自動車取得税廃止で失われる地方財源1800億円の一部(約800億円)の単純な付け替えの側面が強く、国家自動車戦略を深く勘案した税制とは言い難かった。

 第3に、相次ぐ燃費不正問題を受け、消費税率引き上げ先送りによって得られた時間的猶予が、日本の燃費政策の思い切った見直しにつながる可能性があることだ。

 増税までの3年間の時間的猶予の中で、車体課税やエコカー減税を含めた環境規制の中核にある燃費規制の政策が大きく変化する可能性がある。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。