政投銀16年度計画調査、製品高度化ヘ 設備投資10.9%増、「成長」狙う

東芝などが建設した四日市工場(三重県四日市市)の新第2製造棟。高水準の計画通り企業が設備投資を実施できるかが注目される
東芝などが建設した四日市工場(三重県四日市市)の新第2製造棟。高水準の計画通り企業が設備投資を実施できるかが注目される【拡大】

 国内企業が付加価値を高める設備投資を増やそうとしている。

 日本政策投資銀行が4日発表した2016年度の設備投資計画調査によると、全産業の国内投資は15年度実績比10.9%増の17兆5128億円となった。増加は5年連続。医薬品のほか、リニア中央新幹線や航空機など成長分野への投資が増えている。

 調査は6月に実施し、資本金10億円以上の大企業2077社から回答を得た。

 16年度は製造業の投資計画が15年度実績比14.5%増となり、全体を押し上げた。年初からの円高・株安にもかかわらず、2桁増を確保。非製造業も前年度実績比8.8%増と高い伸びを見込む。

 製造業を牽引(けんいん)したのは化学。医薬品や化粧品、紙おむつなどの衛生関連品が増加する。自動車もモデルチェンジ、生産効率化などの投資を見込み、14.2%増。電気機械は0.9%の微増にとどまる。

 製造業の投資動機をみると、「能力増強」は全体の24.3%と前年度比4ポイント低下。一方で「新製品・製品高度化」は4ポイント上昇の18.6%となった。