泉田新潟知事、出馬を撤回 柏崎刈羽再稼働へ期待膨らむ

2016.8.31 05:00

東京電力柏崎刈羽原発の6号機(中央)、7号機(右)=新潟県
東京電力柏崎刈羽原発の6号機(中央)、7号機(右)=新潟県【拡大】

 新潟県の泉田裕彦知事(53)は30日、4選に向けた10月投開票の知事選に出馬しない意向を文書で表明した。泉田知事は2月の県議会で立候補表明していたが、撤回した。東京電力ホールディングス(HD)が目指している柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働について、泉田知事は「福島第1原発事故を検証しない限り、再稼働については議論しない」と厳しい姿勢を示してきただけに東電は柏崎刈羽原発の再稼働に向けた最大の障壁が取り払われる。

 原子力規制委員会の審査が順調に進めば6、7号機は2016年度内に合格する可能性があり、東電の経営再建は大きな節目を迎える。同原発を含む沸騰水型にまで再稼働が広がることで、政府のエネルギー政策にも追い風になりそうだ。

 「新潟県と建設的な話ができるようになるかもしれない。(再稼働に向けて)先が見えるようになることは確かだ」。泉田知事の“自主退場”表明を受け、原子炉の運転が4年以上停止している柏崎刈羽原発の幹部は安堵感を隠せない。今後、規制委の審査に合格し、新知事を含む地元自治体の了解を得られれば再稼働が実現する。

 東電HDは16年3月期で3年連続の最終黒字を達成したが、火力発電の燃料費が原油安で減少したためだ。4月の電力小売り全面自由化で東京ガスなど異業種に一部の顧客を奪われ、経営環境はむしろ悪化している。柏崎刈羽原発の再稼働は1基で年間1000億円前後の収支改善効果を持つ切り札。悲願の脱国有化には欠かせない存在だ。

 震災後に再稼働できたのは、九州電力川内原発(鹿児島県)など全て加圧水型だ。柏崎刈羽原発が動けば沸騰水型で第1号になる。政府内では「再稼働が全国に広がる転機になれば」と期待が強まっている。

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