農産物のブランド価値保護 政府、日本品種の海外登録支援 (1/2ページ)

2016.9.10 05:00

 政府は、農産物の輸出力強化に向け、日本で新しい品種を開発した地方自治体や農家などに対し、海外での品種登録を支援する方針を決めた。日本で開発された高級ブドウやイチゴ、サクランボが海外で無断栽培される例が相次ぐ。国内の高い技術で生産された農産物のブランド価値が失われるのを防ぐため、保護する必要があると判断した。

 政府は、貿易が一段と自由化する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効をにらみ、農産物や食品の年間輸出額を1兆円に引き上げる戦略を描いている。今秋の臨時国会では、農産品を地域ブランドとして保護する「地理的表示保護制度(GI)」に関する法改正も目指しており、海外での知的財産保護を強化する。

 支援のきっかけは、農林水産省所管の農業・食品産業技術総合研究機構が開発したブドウ「シャインマスカット」が中国で無断増殖されていることが発覚したことだった。この品種は2006年3月に国内で新品種として登録されたブドウで、果皮が黄緑で甘みが強く人気があり、海外にも輸出されている。

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